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ずっと空ばかりを

空の様子は、10月になるころから大きく様変わりする、と聞いたことがある。

「天高く、馬肥ゆる秋」というが、空の深さが増して、高く思えるのだろうか。

ユーミンの『ベルベットイースター』の中では、「空がとっても低い、天使が降りてきそうなほど」とうたっている。 イースター(キリストの復活祭)は、春のことのようだ。

寒い季節になると、星がきれいに見えるともいう。
寒くなると、地熱などで発生する水蒸気が少なくなるため、水分を多く含む空気が揺れて、遠くのものをゆがめることがなくなるからだそうだ。
ちなみに、「星が瞬(またた)く」その理由は、空気による光のゆがみだそうだ。
これは科学的な理由であるが、幻想的な理由は別にあろう。

アラーキーという写真家がいる。
たぶん今もご健在と思うが、本名は荒木経惟(あらきよしのぶ)さんとおっしゃる。

丸渕眼鏡と鼻の下のひげで、特徴のある風体をしていらっしゃる。
彼の話で、どうしても忘れないのが、「空の写真」である。
荒木さん、奥様が亡くなったとき、しばらく、空の写真ばかり撮っていたそうだ。
おそらく、一眼レフや、大仰な取り換えレンズでなく、コンパクトな軽量なカメラだった気がする。
ふとカメラを向けて、パチリと撮る。見上げて、パチリ。また見上げて、パチリ。

その話から伝わりくる、言葉にはなららぬが、なんとも鮮やかな心模様。
とても強く共感できる思い。

きっと構図とか芸術性ではないものが、そこに写っただろう。
空を映したいというよりは、彼の気持ちが、空に放り投げられた。

芸術とは、時にそんなものかもしれない。

 2016.10.7

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